大腿骨近位部骨折って何?

大腿骨と骨盤のつなぎ目の関節を股関節と呼び、大腿骨のうち股関節につながる一番上の部分を骨頭、骨頭のすぐ下のくびれた部分を頸部、頸部の下の太く出っ張っている部分を転子部と呼びます。大腿骨近位部骨折とは、これらの頸部や転子部あるいはもう少し下の転子下と呼ばれる部位の骨折を指します。大腿骨近位部骨折は、持病に骨粗しょう症がある高齢女性が転倒した際に起こすことが多いです。骨折した部位、つまり股関節が腫れて痛み歩行が困難になります。

大腿骨近位部骨折(頸部骨折、転子部骨折)について

交通事故などの大きな外力が加わった場合には、若い人でも大腿骨頸部骨折や大腿骨転子部骨折を起こすことがありますが、頻度はきわめて少ないです。高齢者では、交通事故や転落事故などのような大きな衝撃を受けなくても、転倒などの比較的軽微な外力で骨折を起こしてしまいます。これは骨粗しょう症によって骨の強度が低下してしまうことが原因です。特に女性は閉経後、女性ホルモンの減少による影響により骨粗しょう症になることが多いです。受傷原因として最も多いのは転倒です。高齢になると運動機能が低下したり、視力障害を合併したりすることで転倒しやすくなります。

日常生活への影響について

大腿骨頸部骨折や大腿骨転子部骨折を起こすと、股関節の痛みが起こり、立つことや歩くことができないなどの症状が現れます。高齢の患者さんは一度寝込んでしまうと、筋力が弱くなって歩けなくなり、そのまま寝たきりとなり廃用症候群になってしまう方が少なくありません。

 

*「廃用症候群」とは、安静にして体を動かさないことによって、二次的に引き起こされる様々な身体機能の低下や機能障害の総称です。具体的には、筋力の低下、骨密度の減少、起立性低血圧、肺活量の低下、認知症の進行、褥瘡(じょくそう)などが含まれます。
鎮早期発見、早期治療の重要性

「転んで立てなくなった」「歩くと股関節が痛い」…こんな症状があれば大腿骨近位部骨折を疑い、できるだけ直ぐに救急車または病院へ連絡を入れましょう。大腿骨近位部骨折は早期発見から早期治療がとても重要です。

当転倒・股関節痛・歩行困難の症状がありましたら「田園調布中央病院大腿骨近位部骨折センター」へご連絡ください

田園調布中央病院 大腿骨近位部骨折センター

TEL : 03-3721-7121