神経内科とはどんな診療を行っている科なのでしょうか。

循環器内科とか、呼吸器内科とか、消化器内科といえば、患者さんにとって理解しやすいと思います。これに対して神経内科とは何をしている内科なのが現在の日本では残念ながら広く理解されていないようです。(医者の中にも知らない人がいる位です)

神経内科とは簡単に説明しますと、脳・脊髄(脊椎を含む)、末梢神経、筋肉を専門とする内科のことです。あくまでも神経内科医とは、内科医であって神経科・精神科・心療内科(これらは精神的な障害を担当する科です)とは異なります。それでは具体的にはどんな症状、病気の方が神経内科の外来を受診されるのでしょうか。

脳の病気

脳血管障害(脳卒中)の中には脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血などが含まれます。これらのうち脳梗塞、脳出血の方が神経内科を受診されます。
ただし手術が必要となる場合は脳外科医の分野となります。脳血管障害は、ここ10~20年の間に内科的な診断技術、治療が進歩し、これらの死亡率も年々低下し日本人の長生きの一つの原因ともなっています。又、その後遺症も重大な問題で慢性期のリハビリテーション、内科合併症も神経内科医が担当いたします。

現在長寿国である日本にとって大きな社会問題である痴呆も神経内科が担当いたします。しかしながら現時点ではアルツハイマー病、老人性痴呆などに関しては有効な治療法が全くないということです。しかし痴呆の原因には色々あり、治療可能な痴呆を発見し、治療することが神経内科の現在の役割と考えております。

変性疾患とは原因不明の脳細胞が減少してしまう疾患です。
代表的な疾患はパーキンソン病です。パーキンソン病は四肢のふるえ、動作の緩慢、四肢間接が固くなるなどの症状を認める疾患ですが、現在では薬物療法も進歩し早期治療が有効です。その他には歩行障害を呈する脊髄小脳変性症などの疾患が含まれます。

外来を受診される患者さんの中で最も多いと思われるのが頭痛を訴えられる患者さんです。

頭痛の原因となる疾患の中には緊急の脳外科的処置を必要とする脳出血、脳腫瘍、クモ膜下出血などがあります。

その他には頭蓋骨の外側の筋肉が緊張する緊張性頭痛や、血管の拡張が原因である偏頭痛などがあり、これらは各々の治療が異なりますので診察を受けて正しい診断を受ける必要があります。

めまいの原因となる病変は脳のみに限らず、耳(前庭)や貧血、高血圧、低血圧などの内科的な疾患も含まれますので早目に受診されることが大切です。

脊髄の病気

骨(脊椎)や椎間板などの病気は整形外科的な疾患ですが、脊髄自体の病気は神経内科の領域です。手足のしびれ、筋力の低下、筋肉のやせなどが認められれば脊髄の病気の可能性もありますので早めに受診して下さい。脊髄の病気の中には難病の筋萎縮性側索硬化症などが含まれます。

末梢神経の病気

末梢神経とは脊髄より出て手足の先まで延びている細い神経のことです。これらを障害する病気は数多くありますが代表格は糖尿病に伴う末梢神経障害です。症状としては手足のしびれなどの感覚障害が主体です。

筋肉の病気

筋肉の脱力ややせを主体とする病気です。子供の頃に発症する進行性筋ジストロフィー症や、夕方になると脱力が出現する重症筋無力症などが代表的な疾患です。これらは専門医の診断と治療が必要です。

その他、不随意運動など

不随意運動とは自分の意志とは関係なく顔面や手足が動いてしまうものです。不随意運動の中には手足のふるえる振戦や半側の顔面が引きつる半側顔面痙れんなど数多くの疾患があり適切な治療が必要ですので専門医の診察を受けて下さい。その他には痙れんを伴う疾患(てんかん)なども神経内科領域の疾患です。

簡単ではありますが、以上のような疾患が神経内科の対象となる疾患です。ご自分で判断することは困難であったり、治療が遅れたりすることがありますので、何か気になることがあれば神経内科の外来を受診されることをお勧めいたします。